業務の生産性と質の向上

2014/11/19

 ビジネスニーズの解決

 そもそもITは、業績の向上というビジネスニーズを解決するための「手段」であると考える。業績の向上は、業務の改善による生産性の向上と、その内容の質に関する向上によりもたらせるものである。しかし、あまねくITの使用現況を観てみると、データの単なる清書や単純集計に止まり、従来の業務手法の一部分を、ITという巨大電卓もしくは清書プリンターに置換しているだけというのが、おおよその実態ではなかろうか。
 このままでは、ただ少し便利になり見栄えがよく、少し速くはなるとは推測できるが、ITを有効に活用しているとは言い難い。これらの近視眼的な手法では、根本的な改善に到達できなくて、業務改善すなわち業績の向上には、程遠いと言わざるを得ない。そのためには、旧来の方法に対決して常に前向きにより良い姿を求め、改善する姿勢を取り続けなければならない。「変えるべき所は変える」という目的と創意工夫の視点を常に持って、従来の業務手法を観察することが重要である。
 例えば、日常業務におわれて、作業が後手に回った場合を考えよう。後に作業が回り後で様々な処理をする場合、「同じ事の繰り返しというムダ」と、「ミスを犯すという質の低下」をもたらしてしまう。予め前段階で作業を準備し、実態と並行して処理すると、ムダと質の低下を防止することができて、業務の改善による業績の向上を、導くことができるということになる。

 解決の手段

 業績の向上というビジネスニーズを解決するための「手段」として、真実のITが必要と言うことになる。具体的には、コンピューター内に蓄積されたデータベースの活用であり、データ分析機能の活用である。そのためには、ネットワークで接続されたコンピューターシステム群が、不可欠である。
 ただ、ここで最も重要なことは、このコンピューターシステム群に導入する内容である。これは取りも直さず、その内容を計画・設計する「人」であり、またこれを維持する「人」である事を、意味する。
 つまり、ITはあくまで使う側にとっては「手段」であり「魔法の箱ではない」ということである。「目的」がなければ手段の「活用」はできず、それを「計画」し、また「実践」「維持」できるだけの「発想」を持つ人材を育成しなければ、真実の業務改善を実行することができない。すなわち、業績の向上をもたらすこともできないと言うことになる。

廣崎 清司

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