システム設計-中小企業向け

2007/12/24

中小企業におけるシステムは、請求書と実際にはあまり見もしない集計表などの帳票印字だけに留まっています。なぜでしょう。
 
その大半は、システムを導入する経緯・手法に原因があるのです。今ある帳票をそのままコンピューターに置き換えるだけという手法を採り、そこで止まっているのが原因のようです。最悪の例が、原始伝票(例えば:納品書)を手書きして、その後コンピューターに入力して請求書を印字する。イレギュラーな箇所は、手書きで訂正する。コンピューター印字と手書きが混在するため、全面的にコンピューター管理に移行できないことになり、ただ印字しているだけで、以降データ活用などの発展が無くなってしまう。 このパターンが8割9割です。
 
必要な帳票と機能を調査し机上に載せた後、各々の因果関係・従属関係を整理して、具備する帳票と機能を決定します。効率と操作性と正確さ等を勘案して、要求仕様の奥に隠れている具備すべき項目を、先入観にとらわれず抽出することが必要です。要求仕様を調査するときには、聴取まちがい・提示間違いのための方針間違いがないように、注意することが必要です。次に実現するためのインフラを決定します。最後に、将来を見据えてシステムレイヤー分けも含めて見直しをする。実施する担当者のマインドも勘案した上で、最終決定をします。
 
これを実現するためには、、システム構築の技術に加えて、実務経験と業務内容を即座に理解する能力が必要となり、決して簡単なことではありません。しかし、これを乗り越えて初めてデータを活用し、業務改善を遂行する戦略的なシステム構築が可能になります。

廣崎 清司

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